著作権法では、他人の著作物をみだりに複製したりすると、違反行為として捉えられてしまいますが、一定の場合については、著作権のほうを制限して、著作物が自由に利用できることとされています。どのような場合が該当するかについては、著作権法のなかにそれぞれ条文が置かれています。
例えば、付随対象著作物の利用ですが、写真撮影などにあたって、実際に写したい対象から分離することが困難な著作物は、著作権者の利益を不当に侵害しないかぎりは利用を認めるというものです。これは、例えば特定の建物の写真を写したところ、その背景に絵画などの別の著作物がたまたま小さく写り込んでしまったといった場合を想定したものです。
また、情報解析のための複製は、コンピュータを使った情報解析のために必要な限度で著作物をコピーすることを認めるものです。現代社会では、文章や画像などをいったんデータとしてコンピュータに取り込んだ上で、情報を統計的に抽出したり、検索したりすることが行われていますが、こうした行為については、著作物そのものの効用を得ることが目的ではないので、違法の疑いがないようにしようという配慮です。
さらに、引用というのは、報道、批評、研究などのために、正当な範囲内で、他人の著作物を利用することを認めるというものです。論文の執筆などの場合に、先行研究の結果をもとに理論を補強するためには特に求められるものですが、その際には出典を明記した上で、文章中での主従関係なども客観的にわかるようにする必要があります。